2019年11月16日(土)18:00開演
「Wiesenland」(緑の大地)
Opernhaus Wuppertal
↓ヴッパタール舞踊団公式サイトの作品情報のリンク
http://www.pina-bausch.de/en/works/complete-works/show/wiesenland/
16日と17日の2回鑑賞。この日は初日。皆常連さんって感じの客席。
2000年初演作品。2002年に東京でも上演された。
2002年の日本公演は、「七つの大罪/怖がらないで」「炎のマズルカ」
「緑の大地」の三作品を三週間で一気に上演した夢の様な時代だった。
「苔とシダに覆われた岩壁、数カ所から水が湧き出している」(2002年のプログラムから)
巨大で美しいセット。懐かしい。アルモドバル監督の映画「トーク・トゥ・ハー」の劇中劇セットに使われている。
2009年にピナが亡くなって、もうヴッパタールに行く事は無いかも・・・と思っていたのだけれど、舞踊団も世代交代が進んでいて、オリジナルのダンサーがどんどん引退している。
ピナ作品の中でもMyベスト5に入る「緑の大地」は、装置が大がかりなせいか再演が少なく、今回を逃したら次回は総入れ替えになっちゃうかもなあ、とある意味見納めの気持ちもあって遠征計画を立てた次第。
17年(ひ〜)振りに観た「緑の大地」は、やはり美しくて繊細で幸福感に満ちた暖かい作品だった。選曲が凄〜〜く好き。
映画「Pina」でも使われている、「椅子を積み重ねて行く男、下段の椅子の下をすり抜ける男女」の場面の曲が当時から大好きで、映画「Pina」にその場面が出てきて「おっ?♪」と一瞬喜んだんだけれど、映画では使用曲が違った気がする。
アーティスト: Peace Orchestra
曲名:Shining
(検索でオフィシャルっぽい情報が出てこなかったのでリンクを貼るのは止めましたがYoutube等で聴けます)
重要なソロを激しく踊るのはドミニク・メルシーのパート、恐らく2012年ロンドン再演から別のダンサーが踊っている?(←舞台写真があるからそうかな、と)
彼、初日はいっぱいいっぱい、という感じがして、ドミニクって本当に異常な身体だよなあ、と思ってしまった。高い位置に伸びたと思ったら、一瞬で床に足の甲あたりから落ちてぺっしゃんこになったり、氷の上でも無いのにシュルシュルスピンしたりね。トトトトトって歩いたと思ったら舞台の端から端に瞬間移動してたりして、ドミニクの振りってドミニクにしか出来ないんだと、この初日には思いましたわ。
そうそう、東京で初めて観た時に、いつものようにダンサーがマイクで「きうけ〜い」って言ったから、はい休憩ですかとそそくさと化粧室に立った所、モニターからアカペラの「アリラン」♪が聞こえてきて「うわ、やられた〜、でもまぁすぐ終わるだろ」と思ったらそこからがびっくりするほど長かった。愕然としつつ化粧室の鏡とじっと向き合っていた新宿文化センターの風景が17年振りに思い出されたわ。
歌っているのは昔からキムさんで、更に歌がお上手になられている。が、これはキムさんが出なくなったら、そのダンサーのお国の歌を歌うのかしら??謎である。
セットは、第一部では壁に沿って立っているけれど、一部の終わり頃から、ゆっくりと滑車を使って前の方に滑り出て来て、第二部では傾斜の上でも色々な事が起こる。
その角度が思っていた急で、ダンサーも動きにくそうに見えた。
セットの大きさに対して舞台の大きさが足りない為にそうなっているのかな?初演はシャウシュピールハウスの方だったし。間口はシャウシュピールハウスの方が広かったと思う。
初日は比較的冷静に、色々な事を思い出したりしながら観ていた様な気がする。
ピナ不在のカーテンコールにはかなり慣れたつもりでいたのだけれど、ヴッパタールでピナ不在パターンは初だったので、不意を突かれて物凄く淋しくなってしまった・・・・。